行かなくなった裁判所
裁判所に行くことがかなり減ってしまったように思います。
といっても、私の仕事のうち裁判案件が減り、暇になってしまったという意味ではありません(笑)。民事裁判のデジタル化が徐々に進んでおり、特にコロナ禍以降、Web会議システム(teams等)を用いて弁論準備手続等を進行させることがむしろ原則的な運用となり、裁判所に出向くことなく仕事が終わるようになったためです。
それでも、民事裁判の証人尋問や家庭裁判所の調停などでは、裁判所に出向く必要があり、その際は、裁判所の様子を見ることになります。例えば、東京地裁では、以前は結構多くの人がロビーや廊下を行き交っていましたが、今は本当に人が少なくなったという印象です。
私が弁護士登録後に勤務していた法律事務所は、訴訟案件が非常に多く、それも全国津々浦々の裁判所に係属していましたから、地方への出張も多くありました。札幌から鹿児島まで、色々な裁判所を訪問することとなり、時間を取られて当時は結構大変でしたが、他方で、色々な街を見ることが出来、今となっては楽しい思い出となっています。しかし、今は地方出張の機会もめっきり減ってしまいました。
今年(令和8年)5月21日には、本格的な民事裁判のデジタル化(訴状等の書面の電子提出の義務化、Web尋問等)を規定した改正民事訴訟法・改正民事訴訟規則がいよいよ施行されます(詳しくは、こちらの裁判所のサイトの記事もご参照ください。)。これまでの裁判は、とにかく大量の「紙の資料」が飛び交い、その準備もなかなか骨が折れる作業だったのですが、この民事裁判のデジタル化によってどこまで事務が効率化するのか、大いに関心があるところです。
もっとも、私は、どちらかというとアナログ人間で、裁判所の法廷を直接訪れ、裁判官や相手方代理人と直接会って議論をし、また、地方にも出張して、ご当地のグルメ等も楽しむというのが好きなのですが、今後は、ますますそのような機会も減っていくことになるのでしょうか・・ 時代の趨勢とはいえ、少々寂しいところです。
本稿情報
- 執筆者
- 梅本 寛人