京橋・宝町法律事務所

新型コロナウイルス感染症の拡大と公益法人の運営(総会・理事会等)

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の拡大により、新型インフルエンザ等対策特別措置法32条1項に基づく緊急事態等が発生した旨の公示(いわゆる緊急事態宣言)がなされました。対象は全国に広がり、本日(4月18日)現在、期間は5月6日までとされております。

公益法人は、ちょうど3月末日の期末を経て、これから決算、監査、理事会そして総会・評議員会と多忙な時期を迎えようとしておりましたが、緊急事態宣言を受けて今後どう対応すべきか苦慮されている方も多いかと思います。

内閣府からは、公益法人の運営について、「新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ」(令和2年5月18日更新)が出されており、参考にしていただければと思います。

特に、社団法人の総会、財団法人の評議員会及び理事会に関しては、今後、5月ないし6月に開催することは非常に厳しい情勢であるといわざるを得ません。これら総会等の開催自体を中止することはできませんが(現時点で中止を可能とするアナウンスは行政からはなされておりません)、開催を延期することは可能です(内閣府は「やむをえない事由により、当初予定していた時期に開催できない場合、その状況が解消された後合理的な期間内に開催していただければ、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします。」としています)。

また、予定どおり開催するにしても、社団法人の総会に関しては、書面・電磁的方法による議決権の行使(一般法人法51条、52条。ただし、社員総会の招集を決定する理事会において、これらの方法による議決権行使ができることを決定する必要あり。法人法38条1項3号、4号)、委任状による出席(議決権の代理行使。同50条) によって、実際の出席者を最大限抑える等の運用を行うことは可能です。社員数が少ない等の理由で全員の賛成が見込めるならば、いわゆる書面総会(決議の省略。同58条)も可能です。

この場合の細かい運用(案内の方法、議場での進行など)については、株主総会に関する経済産業省・法務省からのアナウンス(令和2年4月28日更新)が参考となります。

評議員会、理事会においては、決議の省略も可能であり(ただし、理事会においては、これができる旨の定款の定めが必要)、また出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分議論ができる環境であれば、Web会議、テレビ会議、電話会議などにより開催することも可能です。

(令和2年5月18日更新)

(文責:梅本 寛人

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